焼火神社(焼火権現)・日本人の99%が一生行かない神社で初詣【隠岐・西ノ島】

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秘境の神社で初詣!その①隠岐・西ノ島『焼火神社』

①隠岐の島の初詣事情
②西ノ島最高峰 焼火山の焼火神社
③航海の神様 焼火権現
④焼火山 焼火神社(焼火権現) 御朱印

隠岐の島の初詣事情

島根県出身だと言うと『じゃあ初詣は出雲大社なんだね!』とほぼ必ず言われます。
ですが、私の出身地は隠岐の島という離島です。

隠岐から島根本土へ行くには4時間弱の船旅もしくは飛行機が必須。
他府県の人と同じく、『今年は出雲大社へ初詣に行こう!』って予定と気合いを入れないといけないんです。

しかし、出雲大社へ気軽に行けない代わりに日本人の約99%が一生行けない(行かない)であろう神社へ初詣に行けるんです。

西ノ島最高峰 焼火山の焼火神社

2017年12月31日。
私は隠岐・島前西ノ島の山奥に立っていました。

どれくらい山奥かというと、この辺り。

ここは焼火山という西ノ島で最も高い標高451.7mの山です。
焼火山の中腹には、重要文化財にも指定されている焼火神社があります。

山道の入り口前は駐車場と休憩スペースになっています。
休憩スペースと言っても自動販売機やトイレといった『休憩所にあったら嬉しいな』って思いつくようなものは何一つ設置されていません。

ここにあるのはウッドテーブルと椅子、そして大量の竹の棒とマムシ注意の張り紙です。

マムシが出るのは春~秋の間ですが、冬眠し損ねたやつがいないとも言い切れません。
登山ステッキとしてもマムシと出くわした時の初期装備としても使える竹の棒を手に入れ、攻撃力が2増えたところで山道へと足を踏み入れます。


私にはどれがどれだか見分けなんてつかないけれど、焼火山には西ノ島でしか自生していないタクヒデンダというシダ植物や絶滅危惧種のカラスバトなど、天然記念物に指定されている動植物が数多く生息しています。

焼火神社神域植物群として保護され、ほとんど手つかずのまま残されている大自然の空気を何度も大きく吸い込みます。

何度も。
何度も。

だってもう息切れがすごい。

顔面や指先は痛いくらい冷たいのに、防寒着を着込んだ体は汗ばんでいます。
もうかなり登ってきたような気がするけど、そんなに登っていないような気もする。

『どうして年の瀬にこんなことしてるんだろう…』と考えながら、前日までの雨でぬかるんだ地面と濡れた落ち葉の上を足元だけ見つめて必死に登っていると、急に日差しに照らされて思わず顔を上げます。

トンネルのように周りを覆っていた木々が開け、神々しさすら感じる太陽の光が降りそそいでいたのです。

ドラクエの回復の泉から出ているのはきっとこんな光だと思います。

写真ではうまく伝わらないのが残念ですが仕方ないですよね。
お前ら登ってねぇもんな。

少しだけ元気になったところで再び山道を登ります。
ようやく一つ目の境内社が見えてきました。

この辺りが1番傾斜がキツイような気がします。
ここから少し先にある大きな鳥居から焼火神社本殿までは平坦な山道が続いています。


道幅が狭くて、すぐ真横がほとんど垂直な崖になっているだけの平坦な山道です。

生い茂る草木に隠れて少し見つけにくい場所に二つ目の境内社へ続く階段があります。

急勾配すぎて写真だと上からなのか下からなのか一瞬わからなくなりますね。
無限階段の騙し絵みたいな実写。

ここには東照宮が祀られています。
社はかなり傷んでいました。

客殿・社務所が建っている、まるでお城のような石垣の横を通り抜けると目の前に水平線が広がります。


本殿まで、いよいよあと100mです。


昨日今日に始まったレベルじゃないくらい手水舎はカラッカラに乾いていました。
私は霊感とかそういうのは全くないんですが、なぜか来年も再来年もこのまま乾いているであろう手水舎が見えました。

霊験あらたかな場所では不思議なことがあるものですね。
仕方がないので、こんな山道をここまで登り詰めたのが禊というテイで先に進みます。

航海の神様 焼火権現

焼火権現は平安時代から航海安全の神様として信仰されていて、その始まりは海中から飛び出してきた3つの神火が現在本殿のある岩壁の窪みの中に入ったことだと言われています。

船で遭難しかけたところを焼火権現の神火に救われた後鳥羽上皇が祠を建てたという説話も残されています。

島前の3つの島の各集落の代表者が旧暦正月以降に焼火神社へお参りするはつまいりという行事が伝承されていますが、これは大晦日に社務所に籠って神火を拝んでいた風習の名残なんだそうです。

荒れた夜の海でも焼火神社の灯りに向かって船を進めれば無事に戻れるとされ、灯台の役割りも担っていたようです。

本土から西ノ島への船が着く別府港にはゲゲゲの鬼太郎の作者・水木しげる先生が描いた焼火権現のブロンズ像が置かれています。

西ノ島に水木先生あらわる。
おそらく水木先生も妖怪の類だと思ってる節がある。

神火が飛び込んだとされている岩壁の窪みに埋もれるように建っている部分が焼火神社の本殿です。

享保17年に大阪で加工した木材を運んで現地で組み立てるという、当時は珍しい方法で建てられました。
参道側から見える西側のみ彫刻装飾が施されていて、岩壁に面した北と東側面にはほとんど装飾されていないそうです。

そして、南向きの本殿に対して拝殿が西向きなのは改築の際に拝殿を崖ギリギリのところまで拡張しちゃったからなんですって。

なんということでしょう!
伝承を守りつつ、建築には不向きと思われる地形にも挫けない匠の技が光ります。

つい階段下の大容量収納とか人数に合わせて広げられるテーブルを期待しちゃうけど、たぶんさすがにそれは無い。

崖ギリギリに建てられた社殿の目の前には、これまた崖のギリギリにそびえ立つ樹齢約1000年の大きな杉の木があります。

撮影に夢中になってたら本当に崖から落ちちゃうので、インスタグラマーやyoutuberの皆さんが参拝に来ることがあれば気をつけてね。

焼火山 焼火神社(焼火権現) 御朱印

宮司さんは社務所に常駐しておらず、御朱印は別府港の前にある観光協会で頂きます。

焼火神社 公式ホームページ

参拝料:無料
参拝時間:なし
駐車場:あり

別府港から山道入口までのアクセス
車 20分
自転車 40分
徒歩 2時間~
※町営バスは通りません

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コメント

  • はじめまして。
    磐座オタク、岩屋マニアのsazanamiと申します。

    楽しくて役に立つ記事ありがとうございました。
    焼火神社、ぜひ行ってみたいです。

    by sazanamijiro 

    • はじめまして。
      コメントありがとうございます。

      磐座・岩屋は由来や成り立ちを調べれば調べるほどハマりそうですね。
      『はいどーん!』みたいな唐突さが好きです。

      焼火神社とは離れてますが、隠岐の島にはトカゲに見えるトカゲ岩や夕日と重なるローソク岩なんかもありますので、
      そちらも気に入って頂けると思います!ぜひ!

      by rekishi 

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